雷とは(最新IEC規格に基づく正確な説明

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空気中の水滴は地球の電界(地表面に垂直な微少電界が存在する。)により極性化されている。すなわち一端がプラス、他端がマイナスとなっている。この水滴が機械的に分断されればプラスに帯電した水滴とマイナスに帯電した水滴が生ずるという説がある。
 とにかく雲中には、まだ十分に解明されていない現象により、同じ電荷に帯電した水滴の集中群が生じているという現実がある。
その発生過程は次のようにも想像されている。
一般的に、たとえば数kmの直径で高さ10 kmにも及ぶ円柱の雲の中での、帯電の原因は、この雲の中心部での温度差に起因する上昇気流であろう。上昇する氷の結晶粒と落下する比較的大きな粒の霰との相互間での機械的摩擦により電荷分離が発生すると推定されている。

図1 上昇する結晶と落下するアラレ

図2 上昇気流の状態

図1 上昇する結晶と落下するアラレ

図2 上昇気流の状態

 大地と雷雲の間の電界が非常に大きくなると、その間に雷放電が発生する。たとえば負電荷の「かたまり」は大地に向かって50 mから200 mのステップで段階的に伸びて行く。この先駆放電(イオン化)により導電路が形成される。電流密度が最大になった瞬間には
雷導電路の温度は20000℃ から30000℃に達する。このような爆発的な雷導電路の形成により雷鳴が発生する。高温は暫時保持され導電路のイオン化が進展する。それにより後続雷が発生する。

図3 雷雲と大地間の落雷

図3 雷雲と大地間の落雷

 雷雲と大地間の雷放電(雷放電には雲内での放電があり、全体の雷放電の10%が雷雲と大地間の雷放電である。)はインパルス電流を発生し、その波高値は300 kAに達することもある。雷放電の99%は、その波高値は200 kA以下である。数100μsでこの雷電流は減衰する。電荷の大きさ、極性、雷雲の密度及び雷撃の種類(上向き、下向き)により雷撃後に後続雷撃の発生の可能性がある。図4に後続雷電流成分を持つ下方雷撃の典型的な経過を示す。

図4 後続雷電流成分を持つ下方電撃の典型的な経路

図4 後続雷電流成分を持つ下方電撃の典型的な経路

正の下方雷撃は次により成り立っている。
●正の雷電流
●場合により正の長時間継続雷電流
負の下方雷撃は次により成り立っている。
●負の雷電流である第1雷撃電流
●場合により負の雷電流である後続雷撃電流
●場合により負の長時間継続雷電流 
直撃雷のための最大試験パラメターとしては雷電流インパルス 200 kA 10/350μsが
決められている。図5は実際の雷電流波形の一つの例と試験波形を比較したものである。

図5 実際の測定された雷インパルス波形 10/350μsの比較

図5 実際に測定された雷インパルスと雷インパルス波形10/350 μsの比較

 次の最大の電流特性値がIEC 62305-1により定められている。

表1 雷電流の電流特性値(電流保護レベルIに対応するもの)

表1 雷電流の電流特性値(電流保護レベルIに対応するもの)

雷は4つの特性値により書き表される。
●雷電流Iの波高値は、その振幅に依存し、雷電流と、それが通過する部分のインピーダンスが、 その部分の電圧降下を決める。
●雷電流の電荷Qlightning は第1雷撃の電荷Qimpと長時間雷撃の電荷Qlongを加えたものであ   る。雷電流の電荷は雷撃点、及び雷電流が断路間隙でのアークを形成する、あらゆる場所でのエネルギー変換を決定する。
●雷電流の比エネルギーW/R 雷電流の流れる導体の加熱および雷電流の流れる導体相互間の電磁力を決める。それによって、火災及び爆発のような危険が発生する。それに対する人体保護にも注意が必要である。
●時間tにおける雷電流上昇率 di/dtは電磁誘導電圧の大きさを定める。この電圧は、雷電流の流れる導体の周辺にあるすべての開放又は閉鎖導電路に誘起される。


図6 雷電流の大きさと発生確率分布

図6 雷電流の大きさと発生確率分布

図7 雷電流上昇と発生確率分布

図7 雷電流上昇と発生確率分布

図8 負雷撃の場合の電荷量発生確率分布

図8 負雷撃の場合の電荷量の発生確率分布 (第1雷撃+後続雷撃)

図9 負雷撃の比エネルギーの発生確率分布

図9 負雷撃の比エネルギーの発生確率分布 (第1雷撃+後続雷撃)